この恋は偶然?いや運命です!
最後に、朝倉 陽(あさくら はる)が元気よく。

「朝倉 陽です。

 集団心理・コミュニケーションゼミ所属。

 企業メンタルヘルス志望。

 趣味は音楽鑑賞とスポーツ観戦!

道明とは、よく野球の話してんだよ。

 アイツ、かなりのオタクだから!

 夏休みに、愛しの彼女とアメリカのボストンまで行って、MLBオールスターゲーム観戦してたらしい!

 羨ましいよなー、ホント!

 次回また機会があったら、道明も引っ張って来るから!」

ベージュのニットに白パンツ、スエードのローファー。

 彼は最初からフレンドリーで、会話が自然に弾んだ。

  店員が「失礼しまーす」と声をかけながら、木製の引き戸を開ける。

 その瞬間、ふわっと広がる香ばしい匂いに、テーブルの空気が一気にざわつく。

「お待たせしました〜、唐揚げとポテトです!」

大皿に盛られた黄金色の唐揚げが、ジュワッと油をまとって湯気を立てている。

 隣には、山盛りのフライドポテト。

 塩がキラキラと光り、ケチャップの赤が映える。

「うわ、めっちゃうまそう!」

 「唐揚げ、誰かレモンかける?」

 「ちょっとストップ!

 レモンかける派とかけない派、分けよう!

 こういう場だからこそ、食べ物の恨み、怖いよ!?」

そう言ったのは、つばさだ。

 
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