この恋は偶然?いや運命です!
笑いながらトングを持って、唐揚げをそれぞれの皿に振り分ける。

「唐揚げ、とりあえずお皿に盛るから、各自取ってよ」

直哉が、舞や隼に唐揚げを渡していく。

「ありがとう、
 ……えっと、直哉くん?」

「どういたしまして!
 あ、直哉でいいのにさ〜!

 堅苦しいの、なしにしよ!」

 軽いな……

 笑顔を貼り付けながら、舞は思った。

 ……こういう、すぐに距離を詰めてくるノリの軽そうな人、少し苦手かも。

ひよりが、声を上げる。

「あ!
 女子側の自己紹介、忘れてた!

 ってことで私から!

  小児科医志望の江藤 ひよりです!

 キャラクターグッズをついつい買っちゃいます!
 
買っては撮って、『新入りの子』ってインスタにあげてる!
 バズってはないけど!

 買いすぎて、もう置く場所がなくて困ってるから、直哉くんに、アドバイス貰いたいかも!

 今日はよろしくお願いします!」

 本当にさりげなく、話したいアピールをするあたり、抜け目ないな……

 舞はただ、目を瞬かせるしかなかった。

直哉くんの様子をこっそり伺うと、ひよりの方に身を乗り出して話したそうにしている。

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