訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
「イルミネーションスポットって実は行ったことないんだよね。車で通り過ぎる時に車窓から目にしたことはあるんだけど」

歩きながら話していると、要さんはふと思い出したようにそう言った。

「確かに車窓から眺めるだけでも十分クリスマスっぽい気分には浸れますよね。でも間近に見ると結構感動しますよ? 迫力が違うというか」

「そうなんだ。それはちょっと楽しみだな」

「ちなみに今回行くのは事前予約のいらない、無料で見て回れるスポットです。場所によっては予約と入場料が必要なんですよ」

「へぇ、入場料がかかるなんて本格的な場所もあるんだね」

「遊園地のイルミネーションとかはかなり凝ってますよ。毎年人気ですしね。……あ! そろそろ着きます。そこの角を曲がったところからです」

角を曲がると、目に映る景色がパッと変わった。

目の前には白と青の光がきらめく幻想的なイルミネーションが広がっている。

「……すごいね。近くで眺めると圧巻だ。さっき亜湖ちゃんが言ってた言葉の意味が分かったよ」

「分かってくれました?」

白銀の世界をイメージした六本木ヒルズのイルミネーションは冬の風物詩となりつつあり、毎年訪問者の目を楽しませてくれる。

並木道が青白い灯りに彩られすごく綺麗だ。

私達はその並木道をイルミネーションを見ながらゆっくりと散歩する。

辺りには同じように過ごすカップルが多く見られた。

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