訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
その頃にはすっかり胸の違和感も消えて無くなり、いつも通りの私だった。


スイーツまで食べ終えて大満足すると、私達はリビングのソファーに再び移動して食後のお茶を楽しむ。

昼間に何杯もコーヒーを飲んだから、食後はハーブティーにすることになった。

要さんの家は飲み物の品揃えは豊富なようだ。

執筆中に飲み物は欠かせないそうで、息抜きや気分転換用として様々な種類をストックしてあるらしい。

私はマグカップに注がれた温かなハーブティーの香りを堪能し、ほっこりしながら一息つく。

ふと隣に座る要さんを見ると、マグカップから立ち昇る湯気で眼鏡を曇らせていた。

クリスマスマーケットでホットワインを飲んでいる時も同じようになっていたなと思い出し、小さく笑みが漏れる。

「ふふっ、要さん。また眼鏡が曇ってますよ」

「あ、やっぱり? ブルーライトカット加工はしてあるんだけど、曇り止め加工もしてもらった方がいいかな」

「そういえば今更ですけど、要さんって視力悪いんですか? それとも眼鏡は伊達ですか?」

「伊達じゃないよ。視力は0.6くらいかな。まぁ眼鏡がなくても一応見えるし日常生活に大きな支障はないんだけどね。これ試しに掛けてみる?」

「あ、試してみたいです! 私は両目とも視力1.0あるんで、なかなか眼鏡ってかける機会ないんですよね」

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