訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
そして恋心を抱いていると自覚した相手に向かって、平然を装いながら口を開いた。
「要さん、この恋愛コンサルを引き受けるにあたって私が提示した条件を覚えていますか?」
「もちろん覚えてるよ。見返りとして亜湖ちゃんの望みを一つ叶える、だったよね? 突然どうしたの?」
「それを要さんにはそろそろ実行してもらいたいと思って。もともと女心を理解するための訓練の一環であり、卒業試験的な課題とお伝えしていましたよね?」
「……亜湖ちゃんの、言う通りだね」
「あれから約3ヶ月半が経ちますし、今の要さんなら問題ないはずです。とはいえ、すぐには難しいでしょうから、考える時間を取ってくださって大丈夫です。一旦恋愛コンサルはストップしますのでその間にじっくり検討して、答えが出た時にご連絡ください。……望みを一つ叶えてもらえるのを楽しみにしていますね!」
私は一方的に今後の予定を告げて、最後に笑顔で締め括った。
ちなみに恋愛コンサルは一旦ストップと言ったが、私はこのまま終わらせるつもりである。
望みを叶えてもらうために最低でもあと1回は顔を合わせる必要があるだろうけど、徐々に距離を置こうと考えていた。
たぶん要さんは遅かれ早かれ円香さんと結ばれるはずなので、要さんもそれを希望するはずだ。
こうして、恋心の自覚と同時に失恋という惨事に見舞われたお家デートは、私が要さんと距離を置くことを最後に決意して幕を閉じたのだった。
「要さん、この恋愛コンサルを引き受けるにあたって私が提示した条件を覚えていますか?」
「もちろん覚えてるよ。見返りとして亜湖ちゃんの望みを一つ叶える、だったよね? 突然どうしたの?」
「それを要さんにはそろそろ実行してもらいたいと思って。もともと女心を理解するための訓練の一環であり、卒業試験的な課題とお伝えしていましたよね?」
「……亜湖ちゃんの、言う通りだね」
「あれから約3ヶ月半が経ちますし、今の要さんなら問題ないはずです。とはいえ、すぐには難しいでしょうから、考える時間を取ってくださって大丈夫です。一旦恋愛コンサルはストップしますのでその間にじっくり検討して、答えが出た時にご連絡ください。……望みを一つ叶えてもらえるのを楽しみにしていますね!」
私は一方的に今後の予定を告げて、最後に笑顔で締め括った。
ちなみに恋愛コンサルは一旦ストップと言ったが、私はこのまま終わらせるつもりである。
望みを叶えてもらうために最低でもあと1回は顔を合わせる必要があるだろうけど、徐々に距離を置こうと考えていた。
たぶん要さんは遅かれ早かれ円香さんと結ばれるはずなので、要さんもそれを希望するはずだ。
こうして、恋心の自覚と同時に失恋という惨事に見舞われたお家デートは、私が要さんと距離を置くことを最後に決意して幕を閉じたのだった。