訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
『グチグチノート』の行方を思えば当然だろう。
……仕事関係者の手に渡っていませんよーに! 普通にマスターが拾ってくれて中身を見ずに落とし物として保管してくれてますよーに!
心の中で神社を参拝する時のようにパンパンと手を合わせる。
そしてゴクリと唾を呑み込むと、意を決してゆっくりと扉を開けた。
――カランカラン
「いらっしゃいませ」
あの夜と同じように、小さなベルの音が店内に鳴り響いた。
同時に穏やかなトーンのマスターの声が私を出迎えてくれる。
いつも思うけど、ここのマスターの声は人を安心させるような声音で、このレトロな空間と非常にマッチしている。
そんなマスターの挨拶に若干緊張をほぐされていると、入口すぐにあるバーカウンター内にいた初老のマスターが私に目を留めた。
「ああ、ちょうど良かった。お客様、お知り合いの方があちらでお待ちですよ」
そして私が忘れ物がなかったかを問いかけるより先に、なぜかマスターの方から突然こんな声を掛けられた。
……えっ? 知り合い? 私を待ってる?
あまりに突拍子もない言葉に、私はその場に立ち尽くし、思わず目をパチクリする。
だが、マスターは店内の奥の方にあるテーブル席の方へ視線を向けただけで、変わらずニコニコしている。
とりあえずその視線を辿ると、複数あるテーブル席には男性が1人だけ座っているようだった。
……仕事関係者の手に渡っていませんよーに! 普通にマスターが拾ってくれて中身を見ずに落とし物として保管してくれてますよーに!
心の中で神社を参拝する時のようにパンパンと手を合わせる。
そしてゴクリと唾を呑み込むと、意を決してゆっくりと扉を開けた。
――カランカラン
「いらっしゃいませ」
あの夜と同じように、小さなベルの音が店内に鳴り響いた。
同時に穏やかなトーンのマスターの声が私を出迎えてくれる。
いつも思うけど、ここのマスターの声は人を安心させるような声音で、このレトロな空間と非常にマッチしている。
そんなマスターの挨拶に若干緊張をほぐされていると、入口すぐにあるバーカウンター内にいた初老のマスターが私に目を留めた。
「ああ、ちょうど良かった。お客様、お知り合いの方があちらでお待ちですよ」
そして私が忘れ物がなかったかを問いかけるより先に、なぜかマスターの方から突然こんな声を掛けられた。
……えっ? 知り合い? 私を待ってる?
あまりに突拍子もない言葉に、私はその場に立ち尽くし、思わず目をパチクリする。
だが、マスターは店内の奥の方にあるテーブル席の方へ視線を向けただけで、変わらずニコニコしている。
とりあえずその視線を辿ると、複数あるテーブル席には男性が1人だけ座っているようだった。