訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる

エピローグ

「ねぇ、青木賞の授賞式のニュース見た?」

「花山粧の『銀翼に潜む殺意』が受賞したんでしょ? あれ面白かったもんね。超納得!」

「それはものすっごく同意なんだけどね、私が言いたいのはそれじゃなくて! なんと授賞式に花山粧がついに登壇して顔出ししたんだって!」

「えーー! 今までメディアにまったく出てなかった花山粧が!?」


亜湖と要が婚約者になって丸1年が経つ頃。

とある会社の休憩室では、2人の女性が、昨年発売されて即ベストセラーとなった花山粧の新作小説『銀翼に潜む殺意』の話で盛り上がっていた。

昨年7月からの選考会を経て、年明け1月に青木賞受賞が発表された小説だ。

2月に入り、つい先日授賞式が開催されたのだが、そこでこの小説はまた大きな反響を呼ぶことになった。

著者の花山粧がメディアの前に姿を現したからだ。

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