訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
「実は君をここで見た瞬間から、どこかで会ったことがあると思ったんだ。それでさっきからずっと記憶を探ってたんだけど、ようやく思い出せたよ」
あっけらかんとそう述べた男性の言葉から、やはり知り合いではなかったという事実が明らかになった。
じゃあマスターのあの台詞はなんだったのか、と疑問が生じる。
謎が深まり、ほんの僅かばかり眉根が寄る。
作り笑顔をキープするのがなかなかハードだが、私はすぐに取り繕った。
「……どこかでお会いしましたか? 初対面だと思うんですけど」
「もしかしたら君は覚えてないかも。なにしろ俺は客の1人でしかないから。君ってJP航空のCAさんだよね? 先週の金曜に福岡発羽田行きのフライトに乗ったんだけど、その時に君がいたことを今思い出したよ」
「――――ッ!」
その瞬間、私も思い出した。
数日前のフライトで円香さんがうっとりしていたイケメンを。
……あ、3A席のお客様だ!
日常のひとコマとしてすっかり忘れ去っていたあの日の記憶が蘇ってくる。
あの時3A席で見た男性と、今目の前にいる男性は、顔も雰囲気もまったく同じだ。
間違いなく同一人物だろう。
……まさかこんな場所で出くわすとは。お客様にプライベートで会うのってなんか気まずい。
とはいえ、今はお客様とCAという立場でもなく、ただの喫茶店の客同士だ。
あっけらかんとそう述べた男性の言葉から、やはり知り合いではなかったという事実が明らかになった。
じゃあマスターのあの台詞はなんだったのか、と疑問が生じる。
謎が深まり、ほんの僅かばかり眉根が寄る。
作り笑顔をキープするのがなかなかハードだが、私はすぐに取り繕った。
「……どこかでお会いしましたか? 初対面だと思うんですけど」
「もしかしたら君は覚えてないかも。なにしろ俺は客の1人でしかないから。君ってJP航空のCAさんだよね? 先週の金曜に福岡発羽田行きのフライトに乗ったんだけど、その時に君がいたことを今思い出したよ」
「――――ッ!」
その瞬間、私も思い出した。
数日前のフライトで円香さんがうっとりしていたイケメンを。
……あ、3A席のお客様だ!
日常のひとコマとしてすっかり忘れ去っていたあの日の記憶が蘇ってくる。
あの時3A席で見た男性と、今目の前にいる男性は、顔も雰囲気もまったく同じだ。
間違いなく同一人物だろう。
……まさかこんな場所で出くわすとは。お客様にプライベートで会うのってなんか気まずい。
とはいえ、今はお客様とCAという立場でもなく、ただの喫茶店の客同士だ。