訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
「めちゃくちゃ驚きましたよ。心臓に悪すぎです! 売れっ子小説家にボロクソ言ってたとかバツが悪いんですけど!」
「隠してたわけじゃないんだけど、知らずに読んでもらった方が変な先入観なく率直な感想が貰えるかなと思ってね」
「いやいや、それって確信犯じゃないですか。ひどい!」
私が恨みがましい目を向けると、葉山さんは楽しそうに小さく笑った。
そして秘密を打ち明けるように声を潜めて告げる。
「でも『葉山要』っていう名前から気づくかもなって思って」
「どういう意味ですか?」
「『花山粧』って本名の『葉山要』のアナグラムだから。響きは似てるでしょ?」
「そんなの気づくはずないっつーの!」
思わず『グチグチノート』ばりに口汚くツッコミを入れてしまった。
接客業をしている妙齢の女性として、なおかつ普段は愛され女子を取り繕っている身として、さすがにこの言葉遣いは反省だ。
これが許されるのは、あくまでノートの中だけというのがマイルールである。
だけど葉山さんは気を悪くするでもなく、顔を顰めるでもなく、涼しい顔でただ朗らかに笑っている。
……葉山さんってやっぱりドMなんじゃないの? 罵られて笑ってるって、変な人。
私の中で葉山さんのドM疑惑がまたしても再燃したけど、依頼も完了したことだし、もう会うことはないだろうからどうでもいい。
「隠してたわけじゃないんだけど、知らずに読んでもらった方が変な先入観なく率直な感想が貰えるかなと思ってね」
「いやいや、それって確信犯じゃないですか。ひどい!」
私が恨みがましい目を向けると、葉山さんは楽しそうに小さく笑った。
そして秘密を打ち明けるように声を潜めて告げる。
「でも『葉山要』っていう名前から気づくかもなって思って」
「どういう意味ですか?」
「『花山粧』って本名の『葉山要』のアナグラムだから。響きは似てるでしょ?」
「そんなの気づくはずないっつーの!」
思わず『グチグチノート』ばりに口汚くツッコミを入れてしまった。
接客業をしている妙齢の女性として、なおかつ普段は愛され女子を取り繕っている身として、さすがにこの言葉遣いは反省だ。
これが許されるのは、あくまでノートの中だけというのがマイルールである。
だけど葉山さんは気を悪くするでもなく、顔を顰めるでもなく、涼しい顔でただ朗らかに笑っている。
……葉山さんってやっぱりドMなんじゃないの? 罵られて笑ってるって、変な人。
私の中で葉山さんのドM疑惑がまたしても再燃したけど、依頼も完了したことだし、もう会うことはないだろうからどうでもいい。