訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
仕事上で必要なため同じ部署の同僚女性とよく話をしていたら、同僚は他部署の先輩女性からネチネチ嫌がらせをされるようになったらしい。

それを知って、もうウンザリだと思った。

自分は集団には属さない方がいい、そう判断して、やりきれなさや怒りをぶつけるように休みの日に小説を書いた。

その小説が幸運にも新人賞を受賞し、小説家デビューが決まったのだ。

それをキッカケに、将来が見えない不安定さはあったものの、俺はなんの未練もなく勤続年数1年の会社を退職した。

今思い返しても、あの時の決断は正解だった。

小説家は個人事業主だ。

出版社とのやりとりはあるが、今までと違って集団生活を余儀なくされることはない。

それが俺には合っていた。

新たに知り合った女性とも集団を介さずに個人的な付き合いができるようになったおかげで、24歳になってようやく初めて彼女ができた。

ただ、残念ながら、そこからまた新たな問題が浮上することになる。

何かと言うと、付き合うと必ず「思ってたのと違った」と彼女から振られるのだ。

相手には困らないし、付き合うのも簡単だが、兎にも角にも交際が長続きしない。

自分なりの考察としては、容姿から過剰に期待を持たれるのも原因の一つだけど、たぶん恋愛的なシチュエーションにおいて女性に接し慣れていないことも大きいと思う。

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