訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
そんな周囲の反応を目の当たりにして、私は葉山さんを振ったという元カノ達の心情に理解が深まるような気がした。
……そりゃ天元突破まで期待しまくっちゃうのもしょうがないかもね。
待ち合わせで現れるのは芸能人顔負けの極上イケメン。
そんな人が自分だけに向かって話しかけてくれて、しかも周囲から羨ましそうに見られて。
きっとめちゃくちゃ自尊心をくすぐられ、優越感を覚えるだろうし、承認欲求だって満たされるに違いない。
その状況下であれば、否応なく恋人としての葉山さんへの期待値が高まるのも納得だ。
「どうかした?」
「なんでもないです。ちょっと色々現状確認してました。それで、これからどうします?」
「来栖さんは昼ごはん食べてきた?」
「まだです。ランチ行くのかなぁと思って」
「俺もまだだから、じゃあ近くにあるラーメン屋にでも行こうか?」
「はぁ!?」
……いやいやいや! 初デートにいきなりラーメン屋!?
最初はごく普通の会話だったからこそ、いきなりブッ込まれた感がすごい。
私としたことが、思わず声を荒げてしまった。
これはさっそくビシッと指摘してあげないといけない。
「あのですね、葉山さん。今回は付き合い始めの恋人が初デートする設定ですよね? 覚えてます?」
「もちろん覚えてるよ」
……そりゃ天元突破まで期待しまくっちゃうのもしょうがないかもね。
待ち合わせで現れるのは芸能人顔負けの極上イケメン。
そんな人が自分だけに向かって話しかけてくれて、しかも周囲から羨ましそうに見られて。
きっとめちゃくちゃ自尊心をくすぐられ、優越感を覚えるだろうし、承認欲求だって満たされるに違いない。
その状況下であれば、否応なく恋人としての葉山さんへの期待値が高まるのも納得だ。
「どうかした?」
「なんでもないです。ちょっと色々現状確認してました。それで、これからどうします?」
「来栖さんは昼ごはん食べてきた?」
「まだです。ランチ行くのかなぁと思って」
「俺もまだだから、じゃあ近くにあるラーメン屋にでも行こうか?」
「はぁ!?」
……いやいやいや! 初デートにいきなりラーメン屋!?
最初はごく普通の会話だったからこそ、いきなりブッ込まれた感がすごい。
私としたことが、思わず声を荒げてしまった。
これはさっそくビシッと指摘してあげないといけない。
「あのですね、葉山さん。今回は付き合い始めの恋人が初デートする設定ですよね? 覚えてます?」
「もちろん覚えてるよ」