訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
「それならなんでラーメン屋なんですか!? 初デートでラーメン屋は女子的には絶対ナシですよ!」
「えっ、そうなの? 女性ってラーメン嫌いなの? 美味しいのに」
「そーいう意味じゃないです!」
私ははぁと呆れ混じりのため息をこっそり吐き出す。
まさかこれほど女心が分からないとは。
これは思った以上に前途多難かもしれない。
私は気を取り直すと、仕事で後輩に一から分かりやすく説明する時のように噛み砕いて話し出す。
「女性がラーメンを嫌いというわけではなく、初デートでラーメン屋は女子的にありえないってことです。なぜかというと、理由は色々ありますけど1番大きいのはゆっくり話せないからですね」
「ゆっくり話せない?」
「考えてもみてくださいよ。ラーメン屋ってほとんどカウンター席じゃないですか。基本的に短時間で食べてササッと退店する感じですよね? たとえテーブル席でもそう長居はしないのが普通だと思います」
「確かに……」
「そうなると、せっかく恋人と食事に行ったのに、ラーメン屋だとおしゃべりを楽しむ時間がないわけです」
「なるほど……」
「あと他の理由としては、好きな人の前でラーメンの麺を啜るのが恥ずかしいっていうのもあります。どうしてもズルズルって音が出たり、汁が飛び跳ねだりしがちですし。恋人の前ではそういう姿を見せたくないっていう女心です」
「女心……」
「えっ、そうなの? 女性ってラーメン嫌いなの? 美味しいのに」
「そーいう意味じゃないです!」
私ははぁと呆れ混じりのため息をこっそり吐き出す。
まさかこれほど女心が分からないとは。
これは思った以上に前途多難かもしれない。
私は気を取り直すと、仕事で後輩に一から分かりやすく説明する時のように噛み砕いて話し出す。
「女性がラーメンを嫌いというわけではなく、初デートでラーメン屋は女子的にありえないってことです。なぜかというと、理由は色々ありますけど1番大きいのはゆっくり話せないからですね」
「ゆっくり話せない?」
「考えてもみてくださいよ。ラーメン屋ってほとんどカウンター席じゃないですか。基本的に短時間で食べてササッと退店する感じですよね? たとえテーブル席でもそう長居はしないのが普通だと思います」
「確かに……」
「そうなると、せっかく恋人と食事に行ったのに、ラーメン屋だとおしゃべりを楽しむ時間がないわけです」
「なるほど……」
「あと他の理由としては、好きな人の前でラーメンの麺を啜るのが恥ずかしいっていうのもあります。どうしてもズルズルって音が出たり、汁が飛び跳ねだりしがちですし。恋人の前ではそういう姿を見せたくないっていう女心です」
「女心……」