訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
 ……あのノートで文句を書き綴っていた変な乗客の話とかもネタになりそうだし。

思い出すとまた少し笑いが込み上げてくる。


「ただ、飛行機は普通に移動時に利用するだけで俺も詳しくないんですよ。だから実際に見学させてもらいたいなと思って。物語にリアリティを出すためにパイロットやCAなどその場で働く人にも話を聞いてみたいです」

「なるほど、分かりました。航空会社に交渉して調整してみますので少々お時間ください。またご連絡しますね」

「すみません、よろしくお願いします」


坂田さんとの電話を切ると、俺は軽くストレッチするように両腕をグッと上に上げて伸びをした。

 ……キリがいいから少し休憩するか。

椅子から立ち上がり、コーヒーでも淹れようとキッチンへ向かう。

その際にふと本棚に並ぶ自著が目に入った。

数日前に観た映画の原作小説だ。

そこから芋づる式に来栖さんとのデートが心に浮かぶ。

約2週間前から始まった恋愛コンサル。

一言で言って、恋愛面における自分の至らなさが露呈しまくった。

俺はどうやら自分で思っている以上に女心が分からず鈍感であるようだった。

 ……普通は学生時代から徐々に経験を積む中、俺はそこが明らかに不足してるからなぁ。

相手の女性も自分と同じような経験値ならそれほど問題にならないだろう。

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