訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
「今回はお店予約して頂いてありがとうございます。この対応はスマートで女子的にポイント高いと思いますよ!」

「それは良かった。さすがに夜は予約しないと入れない可能性も高いかなと思ってね。ここから少し歩くけどいい?」

「大丈夫です」

葉山さんが歩き出すのに続き、私もその後ろ姿を追いかける。

ここで一人スタスタと先に行く人もいるが、葉山さんは歩く時はいつも紳士だ。

スピードを私に合わせてくれ、隣に並んで歩いてくれる。

女心に鈍感なだけで、決して言動がおかしいわけではない。

 ……うーん、だからこそ一見しただけでは「思ってたのと違う」と交際相手から振られる人だとは分からなかったりするんだよねぇ。

「そういえば、先日は取材に応えてくれてありがとう。すごく参考になったよ。でも会議室に入ったら来栖さんがいて驚いた」

お店までの道のりを歩きながら、私が改めて葉山さんについて考察していると、ふと葉山さんが思い出したように先日の取材の件について口を開いた。

その件は私もちょうど話したいと思っていたことだ。

隣に並ぶと身長差が結構あるため、私は見上げるように葉山さんに視線を向けた。

「あ、やっぱり驚いてたんですね。私も来るのが花山粧だということは直前に聞かされたんでビックリしましたよ」

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