お父さんが魔導士だなんて、聞いてない!
「聞いたんじゃない、聞こえてきたんだ」
「横暴、職権乱用。私たちに野垂れ死ねと言ってるの? 幼い娘もいるのよ」
「そうじゃない」
「うわっ」
ゼノさんが、いきなり私を抱き上げた。赤ちゃんのたて抱っこのように軽々と。
「おまえたちは、俺の屋敷に住めばいい」
「はぁ?」
お母さんが抗議の声をあげる。
「どうして、私があんたと一緒に住まなきゃならないの?」
「俺の娘だろ? この子は」
「そうだけど」
「だったら、俺にも娘と一緒に住む権利がある」
「私にもあるわよ。私の娘だもん」
「だから、俺の屋敷で一緒に住めばいいだろう? そうすれば二人の権利が守られる」
大人の話はよくわからない。言葉遊びのようで、そうでないような。
「仕方ないわね。ゼノがそこまで言うなら、一緒に住んであげる」
お母さんが折れた。
こうして私とお母さんは、ゼノさんの屋敷で暮らすことになったのである。
【一章・終わり】
「横暴、職権乱用。私たちに野垂れ死ねと言ってるの? 幼い娘もいるのよ」
「そうじゃない」
「うわっ」
ゼノさんが、いきなり私を抱き上げた。赤ちゃんのたて抱っこのように軽々と。
「おまえたちは、俺の屋敷に住めばいい」
「はぁ?」
お母さんが抗議の声をあげる。
「どうして、私があんたと一緒に住まなきゃならないの?」
「俺の娘だろ? この子は」
「そうだけど」
「だったら、俺にも娘と一緒に住む権利がある」
「私にもあるわよ。私の娘だもん」
「だから、俺の屋敷で一緒に住めばいいだろう? そうすれば二人の権利が守られる」
大人の話はよくわからない。言葉遊びのようで、そうでないような。
「仕方ないわね。ゼノがそこまで言うなら、一緒に住んであげる」
お母さんが折れた。
こうして私とお母さんは、ゼノさんの屋敷で暮らすことになったのである。
【一章・終わり】


