溺れるほど甘い、でも狂った溺愛
第1章 待ってただけ、らしい。
甘い香りに包まれた小さな洋菓子店『ひだまりの森』。
木目のカウンターの奥では、夫婦が並んで焼き菓子を並べている。
わたしはその手伝いをしながら、ショーケース越しに微笑んだ。
ここでの毎日は穏やかで、何も起きないはずだった。
そう――“あの日”までは。
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