溺れるほど甘い、でも狂った溺愛
「でも、今の言葉を聞けて嬉しいよ。この店は、真白ちゃんみたいな人に支えられてるんだ」
芙美子さんも、にっこりと微笑んだ。
「ほんとにね。最初に来た頃の真白ちゃんを思い出すと、なんだか泣けちゃう。ここまで成長してくれて、ありがとう」
「……こちらこそ、ありがとうございます」
涙がにじみそうになって、慌てて笑顔を作る。
「じゃあ、この話は終わりね。〈ラ・グランジュ〉には私たちから丁寧にお断りしておくわ」
「お願いします」
「ふふ、頼もしいねぇ。……ねえ、あなた。もう決まりね。この子に、いずれお店を任せられるようにしていかないと」
「そうだな」
その言葉に、息が止まった。