溺れるほど甘い、でも狂った溺愛


――その夜。


部屋の明かりを落とし、ベッドの端に腰を下ろした。

カーテンの隙間から、街灯の明かりが薄く差し込んでいる。


静かなはずなのに――心臓の鼓動だけがやけにうるさく響いていた。


(……なんで、あの人のことが気になるんだろう)


“神城”という名前。

確かにそう名乗っていた。

下の名前は、思い出そうとしてもどうしても思い出せない。


(あのとき、もう少しちゃんと聞いておけばよかった。……って、今さら遅いか)



でも、どこかで聞いたことのある響きだった気がする。

それに“あの味をきっかけに描いた作品をいつか見てほしいです”と彼は言っていた。


つまり、あの人は――画家やイラストレーターかもしれない。


(知りたくなんて、ないのに)


スマホを手に取り、ためらいながら検索欄を開いた。


【神城 画家】


指先が勝手に動いていた。

検索結果の一覧が瞬く間に表示される。


そして、そこにあったのは――


『若き天才画家・神城煌、幻想シリーズ最新作発表』

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