乙女ゲームのメインヒーロー、なぜかヒロインから溺愛周回攻略されてます
その鞄は、皮を淡い青に染めた生地で出来たもので、バックルの飾りがお気に入り、何年も大事に使っていたものだ。
鞄を見た瞬間に、『使っていた記憶』を思い出して、カナエは驚いた。
初めて見る鞄の筈なのに、確かに大事に使っていた記憶がある。そして、見るのは初めてではなかった。それは、子供の頃から見る夢の中で、よく使っていた鞄と同じものだったのだ。
そのことに気づいた瞬間、それまで細切れだった前世の記憶が、急に蘇った。夢としてではなく、記憶が一気に頭の中に溢れたのである。相変わらずとぎれとぎれではあったものの、思い出された記憶から夢の内容が、カナエの前世であり、これからなのだということに気づかされた。
カナエの前世は、カナエ自身だった。
彼女はカナエとして異世界アルデウムに渡り、そこで死に、カナエに生まれなおしたのだ。
急に様子のおかしくなった彼女を両親は心配したが、カナエは何でもないとだけ告げて、前世のことは隠した。
それからは、前世の記憶と同じシーンに遭遇することもあった。
そして次々と記憶と重なる出来事が起きるたびに、前世の記憶なのか、未来の出来事なのか、判らなくなっていった。
そして、彼女の中には、楽しみと気がかりが渦巻く。
記憶と同じ出来事が起きるのは、戸惑いもあったが、面白さの方が勝っていた。これは彼女の性格が元々明るいからだろう。それに、もしアルデウムに召喚されたら、幼い頃からの憧れだったミヒャエルに会えるのだ。夢の中の住人だから憧れで終わっていたが、実際に会えるとなれば話は別だ。しかも、彼は記憶の中でカナエにプロポーズまでしている。
俄然、彼に会えるのが楽しみだった。
気がかりは、アルデウムへの召喚そのものだ。
まず、アルデウムへ聖女として召喚されたら、間違いなく日本へは戻ってこれない。親しんだ日本と離れるのは、やはり怖かった。
それに、行けば死ぬと判っている。愛する人と結ばれても、魔王に殺されるのだ。怖くない訳がなかった。
だからといって、カナエの行動で召喚が避けられるわけでもない。
鞄を見た瞬間に、『使っていた記憶』を思い出して、カナエは驚いた。
初めて見る鞄の筈なのに、確かに大事に使っていた記憶がある。そして、見るのは初めてではなかった。それは、子供の頃から見る夢の中で、よく使っていた鞄と同じものだったのだ。
そのことに気づいた瞬間、それまで細切れだった前世の記憶が、急に蘇った。夢としてではなく、記憶が一気に頭の中に溢れたのである。相変わらずとぎれとぎれではあったものの、思い出された記憶から夢の内容が、カナエの前世であり、これからなのだということに気づかされた。
カナエの前世は、カナエ自身だった。
彼女はカナエとして異世界アルデウムに渡り、そこで死に、カナエに生まれなおしたのだ。
急に様子のおかしくなった彼女を両親は心配したが、カナエは何でもないとだけ告げて、前世のことは隠した。
それからは、前世の記憶と同じシーンに遭遇することもあった。
そして次々と記憶と重なる出来事が起きるたびに、前世の記憶なのか、未来の出来事なのか、判らなくなっていった。
そして、彼女の中には、楽しみと気がかりが渦巻く。
記憶と同じ出来事が起きるのは、戸惑いもあったが、面白さの方が勝っていた。これは彼女の性格が元々明るいからだろう。それに、もしアルデウムに召喚されたら、幼い頃からの憧れだったミヒャエルに会えるのだ。夢の中の住人だから憧れで終わっていたが、実際に会えるとなれば話は別だ。しかも、彼は記憶の中でカナエにプロポーズまでしている。
俄然、彼に会えるのが楽しみだった。
気がかりは、アルデウムへの召喚そのものだ。
まず、アルデウムへ聖女として召喚されたら、間違いなく日本へは戻ってこれない。親しんだ日本と離れるのは、やはり怖かった。
それに、行けば死ぬと判っている。愛する人と結ばれても、魔王に殺されるのだ。怖くない訳がなかった。
だからといって、カナエの行動で召喚が避けられるわけでもない。