乙女ゲームのメインヒーロー、なぜかヒロインから溺愛周回攻略されてます
「……ん~結構がんこな汚れだな…ブラシとかも借りてくればよかった……」
ぶつぶつ言いながらカナエは真剣にローブを洗っている。よほどローブの汚れが気になっていたのだろう。
ざぶっとローブを持ち上げて、水気を軽く絞ると、一旦たらいの水を替えに出て行ったがまたすぐに戻ってきた。
よくよく考えれば、夜中に部屋で二人きりになる必要はなく、カナエにはもっと洗濯しやすい場所でやってもらえばよかったのだが、後の祭りである。もしかしたら後からミヒャエルに何か言われるかもしれないなどと、考えながらアレンはカナエの手元を黙って見ていた。
「ところで、何でそんな綺麗な顔隠してるの?」
ちらりと一瞬だけ視線を寄越して、カナエはすぐに手元のローブに戻す。
「説明が必要か?」
「別にどんな顔だっていいけど、変身してるなら教えといてよ、びっくりするじゃん」
「……それだけ?」
「うん? よし、綺麗になった~」
アレンの不思議そうな声に、カナエはのんきな様子でローブを再び絞り始めた。
既に魔王討伐の旅は半年以上経過している。一緒に旅をする仲間なら、いざという時に秘密を知らなければ、困ることもあるだろう。ミヒャエルやカイルはアレンの容姿のことを知っているが、あえてカナエには伝えていなかったらしい。それをありがたいと思いつつも、本来なら命を預ける仲間に秘密にしていたことを詰られても仕方のない状況だ。それがばれてしまった原因が、カナエの強引な行動だとしても。
それにこれといった見た目の特徴もない男が、本当は二度見するほどの美形なのだと知れば、目の色を変えて当然である。
しかし、カナエは詰りもしないし、アレンの容姿にがっついて凝視してくる訳でもない。アレンの自惚れではなく、彼の素顔を見た女性は全て彼の容姿にしか目を向けなかったというのに。ミヒャエルとカイルという美形が一緒に行動していて、顔面偏差値の高い人間に囲まれているからと言って、アレンに見惚れないと言う理由にはならない。
だからアレンには、カナエの反応が意外だった。
「結構……水を絞り切るの……つら……」
ぶつぶつ言いながらカナエは真剣にローブを洗っている。よほどローブの汚れが気になっていたのだろう。
ざぶっとローブを持ち上げて、水気を軽く絞ると、一旦たらいの水を替えに出て行ったがまたすぐに戻ってきた。
よくよく考えれば、夜中に部屋で二人きりになる必要はなく、カナエにはもっと洗濯しやすい場所でやってもらえばよかったのだが、後の祭りである。もしかしたら後からミヒャエルに何か言われるかもしれないなどと、考えながらアレンはカナエの手元を黙って見ていた。
「ところで、何でそんな綺麗な顔隠してるの?」
ちらりと一瞬だけ視線を寄越して、カナエはすぐに手元のローブに戻す。
「説明が必要か?」
「別にどんな顔だっていいけど、変身してるなら教えといてよ、びっくりするじゃん」
「……それだけ?」
「うん? よし、綺麗になった~」
アレンの不思議そうな声に、カナエはのんきな様子でローブを再び絞り始めた。
既に魔王討伐の旅は半年以上経過している。一緒に旅をする仲間なら、いざという時に秘密を知らなければ、困ることもあるだろう。ミヒャエルやカイルはアレンの容姿のことを知っているが、あえてカナエには伝えていなかったらしい。それをありがたいと思いつつも、本来なら命を預ける仲間に秘密にしていたことを詰られても仕方のない状況だ。それがばれてしまった原因が、カナエの強引な行動だとしても。
それにこれといった見た目の特徴もない男が、本当は二度見するほどの美形なのだと知れば、目の色を変えて当然である。
しかし、カナエは詰りもしないし、アレンの容姿にがっついて凝視してくる訳でもない。アレンの自惚れではなく、彼の素顔を見た女性は全て彼の容姿にしか目を向けなかったというのに。ミヒャエルとカイルという美形が一緒に行動していて、顔面偏差値の高い人間に囲まれているからと言って、アレンに見惚れないと言う理由にはならない。
だからアレンには、カナエの反応が意外だった。
「結構……水を絞り切るの……つら……」