皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
 十三歳で王妃になって五年、気軽に家に帰ることもできなかった。

 そして王の側近として様子をよく見ていた父は、思春期を迎えたセレスティーヌの気持ちの変化も、知っている。

「ありがとうございます」

 今はもう平気だ。

 そう伝えるように、セレスティーヌは気取らない笑みを返す。

「よろしければ、少しお茶でもしませんか?」
「それはいいな。エディー、私と娘は少し休む。準備を」
「かしこまりました」

 執事が少し気にしたようにセレスティーヌに視線を送ったが、先に行く。

「ところでバカンスというと、アイオスの別荘でいいんだな?」

 一緒にリビングのほうへ歩きながら父が確認した。

 ヴィジスタイン公爵家の『バカンス』と言えば、王都隣の領地アイオスの別荘で遊ぶことを差している。

 セレスティーヌも王妃になるまでは、両親、または兄の連休を使って遊びに行ったものだ。

「はい。王都近郊ですし、釣りができる湖も馬を走らせる土地も豊富な場所ですから」
「領地視察でフレデリクが侍従とそこにいる。数日では次の場所に向けて発つ日程だが、それまでは久しぶりに兄妹でも楽しめるだろう」
「ありがとうございます」

 ◇∞◇∞◇
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