皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
 セレスティーヌは静かに息を吸い込む。

「――ええ。彼には味方が必要だったの、あくまで私は〝一番の友人〟として協力しただけだから」

 他に男性を知らなかったセレスティーヌも、成長しながらアルフレッドを意識したことはあった。

『もう少しの辛抱だ。一番の友人である君にこんなことを頼むなんて申し訳ないが、新しい王妃が見つかるまで、どうか』

 彼にそう告げられたあの時、セレスティーヌは期待することに終止符を打ったのだ。

 まだ、たったの十六歳だった。

 異性を意識したことも、初恋も知らなかったセレスティーヌは、王妃をとてもうまくやれているほどとても賢くて――潔く自分の運命を受け入れたのだ。

 望みがないと実感すれば、セレスティーヌにとって諦めることは驚くほど容易いことだった。

 期待しないと決めたら、気持ちはとても楽になった。

(彼は一番の、私の友達)

 心の中で何度も唱える。

 それも、セレスティーヌにとっても事実であった。
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