皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
 休憩でソファに腰を落ち着けた彼は、頬杖をついて侍従が紅茶を用意するのを眺める。

(さすがに彼女も、しばらくは元気がないだろうな)

 王妃の仕事なんてできっこない。

 前国王夫妻の国葬の準備を進めながら、初めてお願いした際に泣きそうな顔でそう言った。彼が頼み込んだら理解してくれて、うなずいてくれた一番の幼馴染のセレスティーヌ。

 けれどいざ始まってみると、勉強が遣り甲斐でもあった彼女には天職でもあったようだ。

 セレスティーヌは王妃業を、意外にも楽しそうにしていた。

 彼女のそんな笑顔と前向きさが、突然の前国王夫妻を亡くした悲しみに暮れていた王城を明るくしたのだ。

『あなたの役に立てるのが嬉しいのよ』

 たびたび口癖のように笑顔を向けていたセレスティーヌ。

 それを思い出したら、アルフレッドの口元に「ふっ」と自然な笑みがこぼれる。

 最高の友人を得られたものだと思う。

 だが、彼女に献身的で健気な笑顔を向けられるたび、彼の胸を満たす何かは年々強まっていた。
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