皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
 腹にドス黒い感情が込み上げた。

 触れたら殺してやる、と初めて知る醜い気持ちだった。

『お断りします。まずはご自分のことを、よくよくお考えくださいませ』

 王城で帰国の挨拶という名目で会った際、アズレイド侯爵令嬢は切り出した途端にそう告げてきた。

 いつもたった一言で、提案を考えもせず断る冷静沈着な女性。
 苛立つ返事だと思っていたが、彼女の言葉は正しかったらしい。

「おい」
「は、はいっ」

 三人が声を揃え、背筋を伸ばす。

「アズレイド侯爵令嬢には、補佐官はどうかと打診をかけておけ」
「は……補佐官、でございますか?」
「彼女は自分が活躍できる場を欲している。外交、政治、王、王妃の補佐、希望を聞こうと伝えておけ」
「陛下から返事は書かないので?」
「俺はやることがある。謁見は、すまないが日程をずらすと伝えて調整をかけておけ」

 アルフレッドは続けて理由を口にした。

 側近たちは大喜びし、協力すると返事をした。
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