皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
 彼は何やらセレスティーヌの分からないことを言って、またしても抱き締めてくる。けれど今度は、セレスティーヌがびっくりしないように優しい力加減で、だ。

(みんなが見てくるのですけれどー!)

 護衛騎士たちの向こうから、人々が大注目している。

 セレスティーヌは恥ずかしすぎて赤面をこらえきれなかった。

 アルフレッドとは国王と王妃として民衆の前に仲睦まじい姿は見せてきたが、こんなふうに身体が多く接触することなんて、なかった。

「帰ろう、セレスティーヌ」

 ――え?

 アルフレッドの声が優しく耳に入り込む。

「君がいないと、俺はだめだ。俺がいないところで楽しくされていると、腹が立つ」

 セレスティーヌは「うん?」と少し気が抜けた。

(それって……八つ当たりでは?)

 後ろめたい気持ちがあったために、一瞬、本気で悩んでしまう。

「あ、あの、国王として引き続き仕事を忙しくしているというのに、私はハメを外して遊びすぎでしたか?」
「ちっと伝わってないんだな」

 むっとしたように彼がまた顔を見せた。

 それが、ぐんっと近付く。

「えっ」
「君が楽しさを感じている時も、喜んでいる時も、隣に俺をいさせてほしいという意味だよ」

 アルフレッドの唇が、セレスティーヌのそれと重なった。
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