皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
 本日、離縁の書類が通される。

 セレスティーヌはドレスの裾を持ち上げて廊下を走っていた。

(ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ!)

 王妃になって五年、尽くしてきた。

 休める時を心待ちにしていた。

 セレスティーヌは自分の私室の扉を勢いよく開いた。

「きゃー!」

 中にいた三人の侍女が悲鳴を上げる。

「――て、王妃様! 急に戻られたら驚きますよっ」
「宝石でも盗んでいたの?」
「違います! 王妃様の記録を日誌につけているんですっ」

 セレスティーヌは歩きながら小首を傾げる。

「ああ、あの演劇になっている私の日常ネタの……?」
「日常ネタではありません! 国民に尽くし、陛下と十三歳からラブラブなお二人の愛の日常についてっ、です!」

 彼女たちは発想力が恵まれているらしい。

「ところで王妃様、まだ戻られる予定ではなかったでは?」

 侍女たちがノートらしきものを三人で背に隠し、尋ねてくる。

 セレスティーヌは思い出して、にーっこりした。

「私、今日で王妃やめます!」
「えー!」
「王妃様を、やめる……!?」
「ど、どういうことですの!?」
< 7 / 37 >

この作品をシェア

pagetop