御曹司社長の契約溺愛 シンデレラなプロポーズは、夜ごと甘く溶けて

第二十一章:永遠の契約の再確認と、新婚旅行

正式な結婚発表から半年。二人は、新婚旅行として、蓮が所有するプライベートアイランドのヴィラを訪れていた。
海風が心地よいテラスで、琴音は蓮の膝に頭を乗せ、読書をしていた。蓮は、タブレットで、もちろん仕事のデータを確認している。

「蓮、リゾートに来てまで、仕事なの?」
「仕事ではない、琴音。私の支配の領域を拡大するための準備だ」
蓮はそう言いながら、タブ音を消し、琴音の髪に唇を寄せた。

「だが、君がそう望むなら、この時間は、君の支配下に置かれたとしよう」
彼はそう言うと、タブレットを遠くのテーブルに置き、琴音の体を抱き上げた。
「ここは、他人の目がない。君の愛と、私の独占欲を、誰にも邪魔されない場所だ」

彼の瞳は、熱を帯びている。場所がどこであれ、蓮の愛の形は、常に強烈な独占欲を伴っていた。

夜。ヴィラの寝室で、二人は愛を交わし終え、静かに寄り添っていた。
「ねえ、蓮。私、契約結婚していた時のことを、時々思い出すの」
琴音は、蓮の胸に頬を寄せながら言った。

「あの時のあなたは、本当に冷たかった。私が少しでも感情を見せると、すぐに『合理的ではない』と突き放した」
蓮は、琴音の髪をそっと撫でた。
「あの時の私は、自分自身の感情を最も恐れていた。裏切られるのが怖くて、契約という名の強固な檻に、自分自身を閉じ込めていたんだ」

「でも、その檻を壊したのは、私への嫉妬と、愛だったわね」
「そうだ。そして、君は私の支配者になった。君が私に与える愛は、私の生命維持に必要な絶対的な対価だ」
蓮はそう言うと、琴音の指に嵌められた指輪を、もう一度確認するように撫でた。

「この指輪は、ただの結婚の証ではない。私と君の永遠の支配と服従の契約書だ」

翌日、アイランドの小さなチャペルで、蓮は一つの儀式を提案した。
「私たちは、公的な書類だけでなく、精神的な契約を結ぶ必要がある」
蓮はそう言うと、真っ白な砂浜の上に、二つの椅子を用意させた。

「君は、私のそばで、私の名誉を守り、夜の情熱を満たすという、以前の義務を、愛という名の下に、私に誓え」
「誓うわ、蓮。私は、永遠にあなたの愛の支配下にあることを誓う」

琴音が答えると、蓮は静かに立ち上がった。
「そして、私は、神楽坂蓮は、私の最優先事項を、君の幸福と安全とすることを、神と君に誓う。君を愛し、守り、生涯、君以外の女性を求めない」

彼の言葉は、彼自身の感情的な壁を完全に壊し、琴音への献身を誓う、最高のプロポーズの再現だった。

帰国後、二人は蓮の新しいビジネス上の発表会に出席した。その席で、蓮は初めて、公の場で家族としての決意を口にした。

「神楽坂グループの今後の目標は、私の家族の幸福に尽きる。私が築き上げるすべての事業は、妻である琴音、そして我々の将来の子供たちを守り、彼らが永遠に繁栄するための、揺るぎない基盤である」

彼の言葉に、会場はどよめいた。以前の彼は、決して私的な感情をビジネスの場に持ち込まなかった。
「私の妻は、私のすべてを支配している。私の仕事、私の財産、私の未来。すべては、彼女への愛の献身という名の下に、動いている」

蓮の宣言は、神楽坂グループの新しい哲学となり、琴音への愛が、彼にとって単なる感情ではなく、ビジネスの絶対的な核となったことを証明した。
琴音は、蓮の隣で、優雅に微笑んだ。彼女は、契約結婚の花嫁から、蓮の人生とビジネスを支配する唯一無二の女王となった。
< 21 / 26 >

この作品をシェア

pagetop