不埒な先生のいびつな溺愛【番外編集】
酔いが回った状態ではすべてが屁理屈に聞こえる。
少し面倒になった私はもう一度キスをし、頭を撫でた。
それでは納得しない久遠くんは、唇を重ねたまま私を睨む。
「お前は一度浮気してるだろ。裏切るときは簡単に裏切るじゃねえか」
「それさ、やめてよ。伏見さんのことでしょ? 今日だって来てたけど、私も向こうもなにも──」
「は? 今日アイツもいたのか!?」
至近距離で怒鳴られ、体が硬直した。
いじけている様子だった今までとは明らかに違い、彼は煮えたぎるような感情を露にしている。
しまった、と思った。
「いたけど……でも」
「聞いてねえぞ! アイツが行くならそんなところに行かせてない!」
「そしたらなおさら言えないよ。私的なことで会社の用事を断れないもん」
いつもならもっと久遠くんの気持ちを汲んだ返答ができたのだろうが、今の私は酔っている。
うまく頭が働かない。
こうして言いたいことを言ってしまったら彼がどんな顔をするか、先回りして考えることができなかった。