不埒な先生のいびつな溺愛【番外編集】
4.誕生日
美和子の誕生日を知ったのは、付き合ってしばらく経ってからだった。
たまたま家に忘れていったパスケースに、免許証が入っていた。
秋原という姓に合う、肌寒い十月の下旬。
しかももうすぐだ。
このまま美和子がなにも言わなければ、危うく過ぎ去っていただろう。
もしもそれで誕生日が過ぎたことを後から知ったなら、俺がどんなにへこんで、使い物にならなくなるか、いい加減わからないのか。
いや、普通は恋人なら誕生日がいつか聞くのかもしれない。
俺の誕生日が先にあったらよかったのに。
そうすれば、どういう祝い方をすればいいかわかったはずだ。
用もなく外へ出ることは滅多にないが、美和子の誕生日が迫っていると思うといてもたってもいられず、パーカーを羽織って外へ出た。
最近はたまに美和子に連れられてモールへ買い物へ出掛けることもあったが、俺はほとんど売り物なんて見ていなかった。
ただマネキンの服を頭の中で美和子に着せて、遊んでいただけだ。
自分主導のショッピングのやり方はわからない。