不埒な先生のいびつな溺愛【番外編集】
「お前は、俺じゃない方が、幸せだ」
美和子の誕生日に、俺は思い詰めた気分でそうつぶやいていた。
「……え」
一生捨てないって約束した。
それを守ってもらうことで幸せなのは、おそらく俺だけだ。
「俺が美和子とずっと一緒にいられるなんて無理だって自覚してる。いつか絶対、俺に費やした時間を後悔するときが来んだろうな」
「……え、ま、待ってよ。どうしたの?」
「そしたらお前がどうするか、俺は正直わからない。美和子は情に引っ張られるけど、案外見切りもつけられるだろ。リアリストだし」
「あの……意味がわからんです……」
「お前はいつか俺が嫌になるって話だ」
美和子はため息をつく。
何度も見る光景だ。
よく考えたらこの話自体も、何度もしているかもしれない。
「誕生日にする話?」
そう言って美和子は笑った。
これで笑ってくれるのは美和子くらいだ。
「好きなもの買ってくれ」
俺は自分の財布を押し付ける。
「あ、そうくる? 意外かも」