Jour de neige ある雪の日の思い出
彼の作風は、日常の謎ミステリだったり、お仕事小説がメインだったが、時にノワールだったり、児童文学だったりと、オールラウンダーだ。



最初に告白したのは、まだ彼の正体を知らなかった頃。

あの頃の私は18歳で、上京したばかりの大学生だった。

決して叶うことのない幼い初恋を、ずっと引きずり続けていた私。

それを忘れさせてくれる人に、やっと出逢えた。

大人で、優しくて、温厚で、何処となく憂いを帯びていて⋯⋯
そんな彼に夢中になってしまった。


初めての告白で撃沈しても、私はめげなかった。

というよりは、諦めきれなかっただけとも言える。


何度か振られた頃、彼には特定の恋人が居るのでは?と、かなりおもむろに気付いた。

同じ職場の人たちに、それとなく聞き回って⋯⋯今思うと、何だかストーカーみたいで嫌にもなるが。
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