明治、契約の夜に咲く恋─御曹司の溺れるほどの愛
その言葉に、私は自分が産まれてきた意味を知った。

きっと、この子を産む為に、私は産まれてきたのだ。

「この子ができて、やっと私がここにいる意味ができました。」

「君がこの家に必要じゃなかった時なんて、一度もなかったよ。」

旦那様は、私の頬に口づけをした。

「珠緒はいつだって、俺に必要だった。初めて見た時からずっと。」

「ええ?」

私は旦那様の顔を覗き込んだ。

「俺は君に一目惚れだった。でも君はやたら、家族の為だと言って。」

「あの時まだ、惇様に気に入って頂いてるかなんて、分からなくて。」

旦那様は私を優しく見つめた。

「もし君が義務で抱かれようとしているなら、断ろうと思った。君が俺だからこの話を受けたいと言った時は、天にも昇る気持ちだった。」

私も旦那様を、そっと見つめた。

「君は俺の宝物だ。」

旦那様の言葉は、いつだって私を満たしてくれる。
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