明治、契約の夜に咲く恋─御曹司の溺れるほどの愛
そう言って貰えた時、やっと私はこの屋敷にいていいのだと思えた。

「よかった。喜んで貰えて。」

「当たり前だろ。自分の子供ができて、喜ばない奴がいるか。」

旦那様の涙に釣られて、私も泣いてしまった。

「今まで以上に大切にする。珠緒。」

「はい。」

私はそっと旦那様の背中に、腕を回した。


お春さんの言う通り、3か月経っても月のモノは来なくて、私は妊娠が現実であることを知った。

この中に、旦那様の子供がいる。

それだけで、満たされた気持ちになった。

そして旦那様は、以前にも増して私の部屋に来てくれるようになった。

夜に睦み合うことはできないけれど、側で私を抱きしめて寝るようになった。

「このお腹の中に、俺の子供がいるんだな。」

「はい。」

旦那様は、私のお腹を摩ると嬉しそうに、口づけをした。

「来年には、子供と一緒にいられるんだな。」
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