明治、契約の夜に咲く恋─御曹司の溺れるほどの愛
しばらくすると、帝大の水森先生が到着した。

「どうしたんですか!」

あの妊娠の時に行った医師だ。

「先生、お腹の赤ちゃんがっ!」

「ちょっと失礼しますよ。」

医師は布団を剥ぐと、足元から出血しているのを見た。

「だいぶ出血してますね。まずは輸血を。止血剤注射して。あと血止めの処置を行いますよ。」

私はうんと頷いた。

「足を開いて。そうそう器具を入れますよ。」

入り口をぐっと固定された。

「ピンセット、ガーゼ。」

そして看護師の手によって、私の腕に針が刺された。

「ガーゼ、もっとちょうだい。」

水森先生は慎重に処置を行っていく。

こんな時に、男性の医師が役に立つなんて。

そしてだんだん、眠くなっていく。

「白河さん、気を確かに持って。血が止まれば赤ちゃん、助かる確率はありますからね。」

「……はい。」

水森先生の言葉だけが、今は頼りだ。

「先生、赤ちゃん……助けて下さい……」
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