明治、契約の夜に咲く恋─御曹司の溺れるほどの愛
水森先生は何も言わずに、血のついたガーゼを取り替えていく。

そしてガーゼを中に入れ、血が止まるのを待っている。

「先生……この家にとって大事な子なんです……」

「分かってますよ。大事じゃない子供なんて、誰一人いませんからね。」

その時だった。

部屋のドアがバアアンっと一気に開いた。

「珠緒!」

仕事から帰って来た旦那様が、やって来たのだ。

「どうしたんだ!何があったんだ!」

「すみません……階段から落ちてしまって……」

旦那様は、ガクッと床に両膝を着いた。

「そんな!先生!珠緒はっ、お腹の子供はっ、助かるんですか!」

水森先生は引き続き、ガーゼを使いながら、血止めの処置をしてくれる。

だけど、私には分かる。

だんだん降りて行く、赤ちゃんが。

「うわあああん、ああああっ!」

私は泣くしかなかった。

「気を確かに持って!旦那さん、奥さんの手握って!」
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