明治、契約の夜に咲く恋─御曹司の溺れるほどの愛
「また二人で、ゆっくり睦み合えばいいじゃないか。なあ。」

「惇様……」

いつだって私は、旦那様の腕の中に救われる。

ああ、旦那様。

この方が私の旦那様でよかったと、心の底から思えた。


数日経って、旦那様は出張に行かれる事になった。

「留守の間、くれぐれも頼むよ。」

「かしこまりました。旦那様。」

出発の時、旦那様は私と奥様を見た。

「土産を買って来よう。何がいい?」

すると奥様は明るい顔をしてこう言った。

「宝飾品がいいわ。ちょうど新しいのが欲しかったの。」

「宝飾品だね。分かったよ、鞠子。」

旦那様は次に私の元へやってきた。

「私は何もいりません。ご無事で帰って頂ければ。」

「分かったよ、珠緒。」

そう言うと旦那様は、耳元で囁いた。

「帰って来たら、たっぷり愛してあげるよ。」

私の顔が赤くなった。

こういうところ、旦那様はズルい。
< 38 / 60 >

この作品をシェア

pagetop