運命に導かれた転生魔女は、呪われた王太子を救いたい
「イザベラは王家とともに、ルミナリアの繁栄に尽力していたというではありませんか。でしたら、信用できるあの人は、王家の誰かだと思いましたの」
「うん。それで?」
「王家にまつわる歴史の本を見ていましたら、こんなものが」
「それは、何?」

 リディアが開いて見せてくれたページには、奇妙な模様が描かれている。

「イザベラが勇者エリアスにかけた呪いの印だそうですわ」

 想像と違う話に、セレナは首をかしげる。

「信用できるあの人を探してたんじゃないの?」
「まあ、セレナさんともあろう方が、そんなのよろしいではありませんの。興味の赴くまま、調べてみたくなるのが乙女心というものですわよ」

 思わず、吹き出して笑ってしまった。しかし、リディアは至極、真剣だったようで、なぜ笑うのかと不服そうにしながら、隣へ腰をおろして身を寄せてくる。

「見てくださいませんこと? 私たちはイザベラを調べているのに、勇者についてあまりにも知らないことが多すぎます」
「それはそうね。それで、なんて書いてあるの?」

 リディアの白い指先へと目を移す。彼女が指でたどる文字にはこう書いてあった。

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エリアスは公爵家の子息であったが、四男という立場から、辺境地域に暮らす伯爵家の養子にと望まれていた。
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