運命に導かれた転生魔女は、呪われた王太子を救いたい
「どうして笑うんですかっ。研究のために私が必要だっていうなら、そう言ってくれればいいんです。まわりくどく婚約したいなんて言わなくても」
「いや、悪い。何か誤解があるな。俺はセレナと結婚したいと言ったんだ。おまえの力が俺を助けることもあるだろうが、それを利用するつもりはない」
「ほ、本当ですか?」
「俺が嫌なら仕方ないが」
「いや……」
不思議と嫌ではなかった。いつも怒っていて不機嫌だし、愛情なんてこれっぽっちも見せてくれたことはない気がする。
でも、メルンでリディアに引き合わせてくれたし、王宮に住まわせてくれているし、オリオンに頼んで魔力の制御ができるように魔法を学ばせてくれている。
それらすべてが、彼の愛情の示し方だったとしたら……。
「わかりにくい……です」
「だから、わかりやすい薔薇を欲しがるのか? 俺は誰にも薔薇を渡したことはないんだが」
「そうなんですか? だって、婚約者の選定パーティーで、いつも薔薇を渡すって」
「そういう儀礼的なものがあるのは否定しないが……。わかった。形にこだわりたいなら、こうしよう」
いきなり、アレクは両手を大きく広げる。
「セレナには、この庭園すべての薔薇をやろう」
「庭園……全部っ?」
「不服か?」
彼の背後に美しく咲き誇る真っ赤な薔薇。どんな花束にだって負けないほどに華やかな。これほどの薔薇をくれる男の人は、これまでもこれからも現れないだろう。
「……そんなわけないです」
「いや、悪い。何か誤解があるな。俺はセレナと結婚したいと言ったんだ。おまえの力が俺を助けることもあるだろうが、それを利用するつもりはない」
「ほ、本当ですか?」
「俺が嫌なら仕方ないが」
「いや……」
不思議と嫌ではなかった。いつも怒っていて不機嫌だし、愛情なんてこれっぽっちも見せてくれたことはない気がする。
でも、メルンでリディアに引き合わせてくれたし、王宮に住まわせてくれているし、オリオンに頼んで魔力の制御ができるように魔法を学ばせてくれている。
それらすべてが、彼の愛情の示し方だったとしたら……。
「わかりにくい……です」
「だから、わかりやすい薔薇を欲しがるのか? 俺は誰にも薔薇を渡したことはないんだが」
「そうなんですか? だって、婚約者の選定パーティーで、いつも薔薇を渡すって」
「そういう儀礼的なものがあるのは否定しないが……。わかった。形にこだわりたいなら、こうしよう」
いきなり、アレクは両手を大きく広げる。
「セレナには、この庭園すべての薔薇をやろう」
「庭園……全部っ?」
「不服か?」
彼の背後に美しく咲き誇る真っ赤な薔薇。どんな花束にだって負けないほどに華やかな。これほどの薔薇をくれる男の人は、これまでもこれからも現れないだろう。
「……そんなわけないです」