運命に導かれた転生魔女は、呪われた王太子を救いたい
 次にお風呂をあがると、下着を着せられ、髪を乾かした。ボブヘアだった髪も、今は腰より伸びていてとても長い。メイドは櫛を優しく通してくれて、赤色のドレスを着せてくれた。

 仕上げにほんのり甘い香水を振りかけてもらい、衝立てから姿を見せると、リディアが手を合わせて声をあげる。

「やっぱり……! 赤にして正解でした。色彩の調和は見るものの心を動かしますわ。セレナさんの栗色の髪と瞳には、この赤が一番映えると思いましたの」
「そ、そんなに似合ってますか……?」
「もちろんですわ。私の見立てに間違いはないんですのよ」

 あまり赤色の服は選ばない方だったが、リディアの得意げな様子を見れば、少なくとも似合ってないことはないのだろう。

 鏡の前に連れていかれて、セレナはハッと息を飲んだ。まじまじと鏡をのぞき込む。そこには知らない顔があった。

「これが……私?」

 細いあごに、透けるような色白の肌。茶色の瞳は丸くて愛らしい。お化粧をしていないにもかかわらず、唇はバラ色に色づいていて、ウエストも驚くほどに細く、手足も長い。小さなころに遊んだ、憧れの容姿を持つお人形のような、現実離れした美しい人が立っていた。

 片手をほおにあてると、鏡の中の彼女も同じようにした。間違いない。いま目にしているのは、本当に本当の自分の姿なのだ。
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