運命に導かれた転生魔女は、呪われた王太子を救いたい
「セレナさん、こちらでお紅茶をいただきませんか?」
鏡の前でぼう然としていたセレナはハッとすると、リディアに誘われてソファーに腰を下ろした。勧められるまま紅茶をひと口含むと、ふわりとした優しい香りが心を落ち着けてくれる。
「アレクシス殿下は明日の早朝、王都へ向かわれるとか。セレナさんもご一緒されるんですよね?」
「あ……はい。そうみたいです」
「ご実家はどちらなんですの?」
リディアはぶしつけに尋ねてきた。
貴族の令嬢とはこのようなものだろうか。しかし、彼女の場合は、遠慮がないというより、単なる好奇心にも見える。身分が明らかになっていないセレナが、明日からもなぜ王太子と行動をともにするのか、純粋にふしぎなのだろう。
「それが……あまりよく覚えてなくて」
「覚えてないとは?」
「セレナという名前以外は、何も」
「まあ……そうでしたの。お気の毒に」
リディアはあからさまに同情のまなざしを浮かべる。
「それで、地図をご覧になれば、何か思い出せるかもしれないと思われたのですね?」
「……まあ」
「わかりましたわ。お紅茶をいただきましたら、地図をお見せしますわ。この辺りのことで知らないことはありません。どうぞ、なんでもお聞きくださいね」
リディアは張り切るように言い、メイドに地図はまだかと問いかけた。善良な彼女をだましているような気持ちになったが、とにもかくにも、自分がどんな国に来てしまったのか知りたくて、セレナは急いで紅茶を飲み干した。
ほどなくして運ばれてきた地図はとても大きく、テーブルいっぱいに広げられた。早速、セレナは地図をのぞき込む。
地図には大陸の一部だけが描かれているが、アルナリアは内陸部で、比較的険しい山は少なく、河川も豊富で、恵まれた穀倉地帯を有する国家のようだ。その中心にあるのが、おそらく……。
セレナは中央に描かれた城の絵柄を指差す。
「ここが、王都ですか?」
鏡の前でぼう然としていたセレナはハッとすると、リディアに誘われてソファーに腰を下ろした。勧められるまま紅茶をひと口含むと、ふわりとした優しい香りが心を落ち着けてくれる。
「アレクシス殿下は明日の早朝、王都へ向かわれるとか。セレナさんもご一緒されるんですよね?」
「あ……はい。そうみたいです」
「ご実家はどちらなんですの?」
リディアはぶしつけに尋ねてきた。
貴族の令嬢とはこのようなものだろうか。しかし、彼女の場合は、遠慮がないというより、単なる好奇心にも見える。身分が明らかになっていないセレナが、明日からもなぜ王太子と行動をともにするのか、純粋にふしぎなのだろう。
「それが……あまりよく覚えてなくて」
「覚えてないとは?」
「セレナという名前以外は、何も」
「まあ……そうでしたの。お気の毒に」
リディアはあからさまに同情のまなざしを浮かべる。
「それで、地図をご覧になれば、何か思い出せるかもしれないと思われたのですね?」
「……まあ」
「わかりましたわ。お紅茶をいただきましたら、地図をお見せしますわ。この辺りのことで知らないことはありません。どうぞ、なんでもお聞きくださいね」
リディアは張り切るように言い、メイドに地図はまだかと問いかけた。善良な彼女をだましているような気持ちになったが、とにもかくにも、自分がどんな国に来てしまったのか知りたくて、セレナは急いで紅茶を飲み干した。
ほどなくして運ばれてきた地図はとても大きく、テーブルいっぱいに広げられた。早速、セレナは地図をのぞき込む。
地図には大陸の一部だけが描かれているが、アルナリアは内陸部で、比較的険しい山は少なく、河川も豊富で、恵まれた穀倉地帯を有する国家のようだ。その中心にあるのが、おそらく……。
セレナは中央に描かれた城の絵柄を指差す。
「ここが、王都ですか?」