運命に導かれた転生魔女は、呪われた王太子を救いたい
***
きらびやかなシャンデリアの光が降りそそぐ大広間に足を踏み入れた瞬間、セレナは圧倒されて息を飲んだ。
壁を飾る金糸のタペストリーや、天井まで届きそうなほどの生花が彩る美しい空間には、ワイングラスを片手に談笑する貴族たち、そして華やかなドレスをまとった令嬢たち。まるで、映画の世界に迷い込んだかのようだ。
入り口で身を引いたエマに後ろ髪を引かれる思いで振り返るが、彼女は「大丈夫ですよ!」と、気合いを入れた様子で口パクで伝えてくる。すでに宮殿で暮らすようになって数日経つが、ほかのどの令嬢にも負けないほどに美しいセレナを、彼女は本気で応援しているらしい。
その応援……とやらにちょっと困っている。というのも、パーティーの目的が実は……。
「まあ、今夜はどのご令嬢もいつもより数段と華やかですわね」
「当然ですわ。殿下の婚約者を決める夜ですもの」
「今回はどなたが選ばれるのかしらね」
周囲から会話が漏れ聞こえてくる。扇子で口もとを隠しながら、婦人たちが熱っぽくうわさ話を交わす横を、セレナは冷や汗をかく思いで素通りする。
そう。アレクが参加を一方的に決めたパーティーの目的は、王太子の婚約者選定パーティーなのだ。
誰よりも華やかに、とエマが張り切ってドレスを選んでくれる理由がそれと知ったときは、どれほど青ざめたか。
とにかく、今は誰の目にも見つからないよう、ひっそりと過ごしたい。アレクが遠征から連れ帰った娘に、婚約者候補が目をつけないはずはないのだから。
きらびやかなシャンデリアの光が降りそそぐ大広間に足を踏み入れた瞬間、セレナは圧倒されて息を飲んだ。
壁を飾る金糸のタペストリーや、天井まで届きそうなほどの生花が彩る美しい空間には、ワイングラスを片手に談笑する貴族たち、そして華やかなドレスをまとった令嬢たち。まるで、映画の世界に迷い込んだかのようだ。
入り口で身を引いたエマに後ろ髪を引かれる思いで振り返るが、彼女は「大丈夫ですよ!」と、気合いを入れた様子で口パクで伝えてくる。すでに宮殿で暮らすようになって数日経つが、ほかのどの令嬢にも負けないほどに美しいセレナを、彼女は本気で応援しているらしい。
その応援……とやらにちょっと困っている。というのも、パーティーの目的が実は……。
「まあ、今夜はどのご令嬢もいつもより数段と華やかですわね」
「当然ですわ。殿下の婚約者を決める夜ですもの」
「今回はどなたが選ばれるのかしらね」
周囲から会話が漏れ聞こえてくる。扇子で口もとを隠しながら、婦人たちが熱っぽくうわさ話を交わす横を、セレナは冷や汗をかく思いで素通りする。
そう。アレクが参加を一方的に決めたパーティーの目的は、王太子の婚約者選定パーティーなのだ。
誰よりも華やかに、とエマが張り切ってドレスを選んでくれる理由がそれと知ったときは、どれほど青ざめたか。
とにかく、今は誰の目にも見つからないよう、ひっそりと過ごしたい。アレクが遠征から連れ帰った娘に、婚約者候補が目をつけないはずはないのだから。