運命に導かれた転生魔女は、呪われた王太子を救いたい
 魔女といえば……、考えすぎかもしれないが、復活すると予言のあった魔女イザベラと何か関係があるかもしれない。

 そうとわかれば、落ち着いてはいられない。そわそわと部屋の中を行ったり来たりしていると、クラリスがいきなり声をあげる。

「ち、違うんです。言いたくないわけではなくて……実は、四人目は……私の下の姉なんです」
「お姉さま?」
「はい……。メアリーお姉さまはあんなことになってしまいましたが、お父さまは王家との強い結びつきを得ようと、マリーネお姉さまを婚約者にと、アレク様に願ったのです」
「アレク……アレクシス殿下は受け入れるしかないですよねぇ」

 ちょっとばかり苦笑いしてしまう。公爵家の娘なら誰でもいいわけではないだろうに。

「アレク様はまた何かあっては……と、かなりご心配くださりましたが、お父さまは万全の体制を取るおつもりでした」
「でも、うまくいかなかったんですよね?」

 クラリスは小さくうなずく。

「マリーネお姉さまは、メアリーお姉さまからさまざまな話を聞いていましたから、婚約の話が持ち上がったころから嫌がっていました。ですから……」
「何があったんですか?」
「……マリーネお姉さまは、恐ろしさに耐えられず、ほかの男性と駆け落ちしてしまったんです」
「駆け落ちっ?」

 まさか、魔女とはまったく関係ないなんて。セレナが驚きの声をあげると、クラリスは両手で顔を覆ってしまった。

「本当に……お恥ずかしい限りです。あの……正義心の強いマリーネお姉さまが勝手に家を出るなんて、信じられませんでした」
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