運命に導かれた転生魔女は、呪われた王太子を救いたい
 まさか、それって……と、ひとりの男を思い浮かべるセレナの答え合わせをするように、リディアはうなずく。

「ええ。オリオン・クロフォード様ですわ。とても偉大な魔術師様なんですの。あの方はおそらく……、なんでもご存知ですわね」

 思案げにリディアは言うが、狡猾そうな彼の笑みを思い出し、彼女の指摘は間違いない気がした。

「それじゃあ、オリオンさんはイザベラにとても詳しいですよね?」
「ええ。あの方にお聞きするのが一番はやいかもしれませんわね。ですが、なかなかお会いできる方ではありませんので、こうして自分で調べるしかありませんわ」

 リディアは確かな足取りで奥へと進む。オリオンに教えてもらったのであろう本棚の前で足を止めると、ひときわ目を惹く黒い書物を手に取った。

「それは?」
「アルヴェインの森に関する書物ですわ。イザベラのほこらについての記述があるか、一つずつ見ていくしかありませんわね」
「私も手伝います」
「セレナさんならそう言ってくださると思いましたわ」

 テーブルにいくつかの書物を運ぶリディアを手伝ったあと、向かい合わせに座ると、彼女がふと尋ねてくる。

「アレクシス殿下とは、あれからどうですの?」
「どうって?」
「先日、婚約者選定パーティーがございましたでしょう? 今回はお決まりにならなかったとか。私は絶対に、セレナさんが選ばれると思ってましたのよ」
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