運命に導かれた転生魔女は、呪われた王太子を救いたい
「それは……、大きな誤解です。なぜか、みなさんそう思っているようだけど」
「なぜかではありませんわよ。殿下が王宮にとどめ置かれているんですもの。しかるべきときに婚約を発表されるのではありません?」

 なるほど。周りからはそう見られているのか。どう考えても、監視するために王宮に住まわせられているのだが、アレクがそう公言したわけではないし、そんなこととは誰も思わないだろう。身近にいるエマでさえ、アレクに気に入られているから最大限のもてなしを受けている、と勘違いしているのだから。

「私が王宮にいるのは、そういう理由じゃなくて……」
「では、なんですの?」
「ただ単に、帰る場所がないから……」
「まあ……」

 同情を求めるつもりはなかったが、リディアはあわれむようなため息をついた。

「アレクシス殿下にはお願いしましたの? セレナさんのような美しい方でしたら、どこぞのご令嬢に違いありません。アルヴェイン周辺をお調べになれば、必ず生家は見つかりますわよ」
「調べているとは思うけど……」

 見つかるはずがない。途方にくれるセレナを見て、何か誤解したように、リディアはますます気づかう目をする。

「困難を極めているのですわね。わかりました。殿下には私からもお話しておきます。セレナさんの身元はメルン家が引き受けますと。安心なさって、メルン家の者として王家に嫁がれますわよ」
「ええっと……」
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