運命に導かれた転生魔女は、呪われた王太子を救いたい
 なぜ、そうなるのか。メルン伯爵にとっては、そのぐらいのメリットがないと、養女として受け入れる心づもりにはならないだろうが。

「けれど、セレナさん。一つだけ気をつけなければいけませんことよ。殿下の婚約者に選ばれる娘には、必ずよくないことが起きると言われていますから」
「……うわさは聞いてます。イザベラのしわざかもって言われてることも」
「それでしたら、話ははやいですわ。イザベラの鏡をご存知かしら?」

 セレナはごくりとつばを飲み込んだ。リディアの方からその話を持ち出してくれるとは思ってなかった。

「アドリア侯爵令嬢のことも聞きました」

 小さなひそひそ声で言うと、リディアも神妙な表情でうなずく。

「イザベラは二千年前、あのほこらに封印されたと記録されていますけれど、そのあとも鏡を通じて姿を現していたと言われていますの」
「その鏡が、王宮にあるイザベラの鏡……ですよね?」
「そうですわ」
「でも、そんなことが本当に可能だとは思えなくて」

 セレナはほおに手をあてて首をかしげるが、一方、リディアは前のめりになる。

「イザベラは歴史上、もっともルミナリアに影響を与えた魔女ですのよ。彼女にできないことはない。そう言わしめるほどの魔力を秘めた魔女……」
「リディアさんはどう思うの?」
「あのほこらには何か秘密があるんじゃないかしら」
「たとえば?」
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