運命に導かれた転生魔女は、呪われた王太子を救いたい
*
翌朝、セレナはオリオンに案内されて、王宮の一角にある研究所を訪れていた。石造りの廊下を抜けると、清涼なハーブとツンとした消毒液のような匂いがかすかに漂ってくる。
第一魔術師団はすでに、テオ率いる騎士団とともにノーデルへ向かって出発し、研究所に残った魔術師たちは聖水の精製に励んでいた。
忙しそうに働く彼らの間を抜けながら、セレナは奥の部屋へと進む。オリオンが分厚いカーテンを引くと、室内は一気に明るくなり、フラスコや秤が整然と並ぶ──まるで調合室のような光景が広がった。
「昨夜のうちに材料はそろえておきました。どうぞ、ご確認ください」
中央にある机を指し示したオリオンが、道を譲るように後ろへ身を引く。
「あっ、はい」
セレナは胸に抱いていたイザベラの備忘録を開く。そこには、オーブの材料が記されている。オリオンはこの本の内容を熟知しているのだろう。
「えっと、素材は三種類……まずは核になる水晶……」
セレナは本を見ながら一つずつ確認していく。
机の上に鎮座する水晶は、ちょうど両手で持ち上げられるほどの大きさで、一点の曇りもなく、真っさらという言葉がふさわしいほどに澄み切っている。
「次は、魔力を安定させるミスリル……」
赤い生地の上に置かれた、銀色に輝く金属の塊を、セレナは手のひらに乗せて眺めた。思うより軽いが、ミスリル自体、初めて見たから本物かどうかわからない。
「これが、ミスリルですか?」
「ええ。王家に保管されている大変貴重な鉱石です。アレク様が陛下の許可を得て用意してくださいました。オーブに使うのでしたら、手のひらに乗る程度でじゅうぶんかと」
「貴重なものなんですね」
翌朝、セレナはオリオンに案内されて、王宮の一角にある研究所を訪れていた。石造りの廊下を抜けると、清涼なハーブとツンとした消毒液のような匂いがかすかに漂ってくる。
第一魔術師団はすでに、テオ率いる騎士団とともにノーデルへ向かって出発し、研究所に残った魔術師たちは聖水の精製に励んでいた。
忙しそうに働く彼らの間を抜けながら、セレナは奥の部屋へと進む。オリオンが分厚いカーテンを引くと、室内は一気に明るくなり、フラスコや秤が整然と並ぶ──まるで調合室のような光景が広がった。
「昨夜のうちに材料はそろえておきました。どうぞ、ご確認ください」
中央にある机を指し示したオリオンが、道を譲るように後ろへ身を引く。
「あっ、はい」
セレナは胸に抱いていたイザベラの備忘録を開く。そこには、オーブの材料が記されている。オリオンはこの本の内容を熟知しているのだろう。
「えっと、素材は三種類……まずは核になる水晶……」
セレナは本を見ながら一つずつ確認していく。
机の上に鎮座する水晶は、ちょうど両手で持ち上げられるほどの大きさで、一点の曇りもなく、真っさらという言葉がふさわしいほどに澄み切っている。
「次は、魔力を安定させるミスリル……」
赤い生地の上に置かれた、銀色に輝く金属の塊を、セレナは手のひらに乗せて眺めた。思うより軽いが、ミスリル自体、初めて見たから本物かどうかわからない。
「これが、ミスリルですか?」
「ええ。王家に保管されている大変貴重な鉱石です。アレク様が陛下の許可を得て用意してくださいました。オーブに使うのでしたら、手のひらに乗る程度でじゅうぶんかと」
「貴重なものなんですね」