離婚を切りだしたら無口な旦那様がしゃべるようになりました
フィリクスの帰りを、セインは包帯と薬箱を持って待っていた。
玄関の扉が開くと、そこには血の滲んだ服で立っているフィリクスの姿があった。
セインはすぐさま彼を支えて近くの部屋へ連れていく。
ソファに倒れ込むように座った彼を見て、セインはため息をついた。そして包帯を準備しながら無表情のまま告げる。
「瀕死の重傷で動きまわるとは、本当に死にたいのですか?」
「うるさい。この程度、犬に噛まれたようなものだ」
「脇腹から出血しています。包帯を取り換えるので脱いでください」
淡々としながらも遠慮のないセインの物言いに、フィリクスは小さく舌打ちして上着を脱ぎ捨てた。
使用人たちが水の入ったタライと清潔な布を手に駆け寄ってくる。
フィリクスは手当てを受けながらセインに訊ねた。
「すべて整ったのだろうな?」
「はい。王国騎士隊と法務官、それに神殿からの監査官も呼び寄せています」
「いつ到着する?」
「3日ほどあれば」
「間に合わない。俺が行く」
「しかし、お怪我が……」
「アリシアの貞操がかかっているんだぞ!」
声を荒らげて立ち上がろうとするフィリクスに、セインもさすがに動揺の色を見せる。
フィリクスは拳を握りしめ、震えるほどの怒りを押し殺しながら声を上げた。
「再婚だと? ふざけるな。偽の死亡証明など作りやがって」
玄関の扉が開くと、そこには血の滲んだ服で立っているフィリクスの姿があった。
セインはすぐさま彼を支えて近くの部屋へ連れていく。
ソファに倒れ込むように座った彼を見て、セインはため息をついた。そして包帯を準備しながら無表情のまま告げる。
「瀕死の重傷で動きまわるとは、本当に死にたいのですか?」
「うるさい。この程度、犬に噛まれたようなものだ」
「脇腹から出血しています。包帯を取り換えるので脱いでください」
淡々としながらも遠慮のないセインの物言いに、フィリクスは小さく舌打ちして上着を脱ぎ捨てた。
使用人たちが水の入ったタライと清潔な布を手に駆け寄ってくる。
フィリクスは手当てを受けながらセインに訊ねた。
「すべて整ったのだろうな?」
「はい。王国騎士隊と法務官、それに神殿からの監査官も呼び寄せています」
「いつ到着する?」
「3日ほどあれば」
「間に合わない。俺が行く」
「しかし、お怪我が……」
「アリシアの貞操がかかっているんだぞ!」
声を荒らげて立ち上がろうとするフィリクスに、セインもさすがに動揺の色を見せる。
フィリクスは拳を握りしめ、震えるほどの怒りを押し殺しながら声を上げた。
「再婚だと? ふざけるな。偽の死亡証明など作りやがって」