離婚を切りだしたら無口な旦那様がしゃべるようになりました
それでも彼は少し不満があるようだ。声を落とし、複雑な表情でぼやく。
「……俺は今、あいつらに対して猛烈に腹が立っている。君の初めてを奪われてしまって」
「奪われてなど、おりません!」
アリシアはすぐさま声を上げた。
フィリクスが言いたいのは結婚式とウェディングドレスのことだとわかっている。それでも、きっぱりと伝えておきたかった。
「私の初めては、すべて旦那様のものです。あれは結婚式ではありません。ただの仮面舞踏会です」
一瞬、フィリクスは目を丸くし、それから吹き出した。
「ははっ……確かに、仮面舞踏会だな」
「旦那様も、わかっていて仮面をつけていたのでしょう?」
「……ああ。本当はセインに止められていたんだ。先走るなと。しかし我慢できなかった。あの伯爵に、君の唇を奪われるかと思うと、殺意がわいて勝手に体が動いてしまった」
その声には、抑えきれない思いが滲んでいた。
「……俺は今、あいつらに対して猛烈に腹が立っている。君の初めてを奪われてしまって」
「奪われてなど、おりません!」
アリシアはすぐさま声を上げた。
フィリクスが言いたいのは結婚式とウェディングドレスのことだとわかっている。それでも、きっぱりと伝えておきたかった。
「私の初めては、すべて旦那様のものです。あれは結婚式ではありません。ただの仮面舞踏会です」
一瞬、フィリクスは目を丸くし、それから吹き出した。
「ははっ……確かに、仮面舞踏会だな」
「旦那様も、わかっていて仮面をつけていたのでしょう?」
「……ああ。本当はセインに止められていたんだ。先走るなと。しかし我慢できなかった。あの伯爵に、君の唇を奪われるかと思うと、殺意がわいて勝手に体が動いてしまった」
その声には、抑えきれない思いが滲んでいた。