離婚を切りだしたら無口な旦那様がしゃべるようになりました
ところが運命のいたずらか、感謝祭の日に領地に関する揉め事が起こったようだ。せっかくの感謝祭を台無しにして領民たちを混乱させるわけにはいかず、フィリクスはその日の早朝からトラブル先へ赴くことになった。
アリシアは彼を見送りに出た。
フィリクスは表情を硬くして、アリシアに謝罪する。
「本当に申し訳ない。君との約束を破ってしまった」
「お気になさらないでください。理解していますから」
アリシアは笑顔でそう言った。
しかし、フィリクスはどうも落ち着かない様子で目を泳がせたあと、再びアリシアを見つめた。
「俺も、楽しみにしていたんだ」
「えっ……」
驚いた顔をするアリシアから目をそらし、フィリクスはすぐに背中を向けて馬車に乗り込んだ。
そのまま馬車が走り出し、アリシアは頭を下げて見送る。
馬車が見えなくなったあと、エレナがそっと声をかけた。
「旦那様、素直になられましたわね」
それを聞いたアリシアは表情がほころび、やわらかく微笑んだ。
「そうね」
「では、アリシア様。今日は私と一緒に思いきりお祭りを楽しみませんか?」
「ええ、そうするわ」
エレナはそのあと背後にいるセインに振り返る。
「あなたも一緒に行きましょ」
「俺は留守を預かっている」
「あら。少しくらい、いいじゃない。どうせやることないでしょ」
「俺は忙しい!」
軽口を交わすふたりを見て、アリシアは思わずふふっと笑った。
アリシアは彼を見送りに出た。
フィリクスは表情を硬くして、アリシアに謝罪する。
「本当に申し訳ない。君との約束を破ってしまった」
「お気になさらないでください。理解していますから」
アリシアは笑顔でそう言った。
しかし、フィリクスはどうも落ち着かない様子で目を泳がせたあと、再びアリシアを見つめた。
「俺も、楽しみにしていたんだ」
「えっ……」
驚いた顔をするアリシアから目をそらし、フィリクスはすぐに背中を向けて馬車に乗り込んだ。
そのまま馬車が走り出し、アリシアは頭を下げて見送る。
馬車が見えなくなったあと、エレナがそっと声をかけた。
「旦那様、素直になられましたわね」
それを聞いたアリシアは表情がほころび、やわらかく微笑んだ。
「そうね」
「では、アリシア様。今日は私と一緒に思いきりお祭りを楽しみませんか?」
「ええ、そうするわ」
エレナはそのあと背後にいるセインに振り返る。
「あなたも一緒に行きましょ」
「俺は留守を預かっている」
「あら。少しくらい、いいじゃない。どうせやることないでしょ」
「俺は忙しい!」
軽口を交わすふたりを見て、アリシアは思わずふふっと笑った。