離婚を切りだしたら無口な旦那様がしゃべるようになりました
アリシアにとっては、どこか気まずく、息の詰まるような時間が続く。
(王都までの時間が長すぎるわ。何か話したほうが……)
しばらくじっと考えてから、思いついたように顔を上げる。
(そうだわ。王都のことでも訊いてみようかしら)
思いきって声をかけようとしたとき、ちょうど彼もこちらを向いた。
「あの……」
「アリシア」
言葉が重なり、ふたりは目を見合わせる。
「あっ……すみません、どうぞ」
「いや、君が先でいい」
アリシアは頬が熱くなるのを感じながら、控えめな口調で話した。
「王都はどんなところですか? やっぱり賑やかなんでしょうね」
「大きな町だ。侯爵領とは比べものにならないほど発展している」
「めずらしいものも、たくさんありそうですね」
「滞在中に観光してもいい。行きたいところがあれば遠慮なく言ってくれ」
「ありがとうございます」
それからフィリクスは、かつて立ち寄った店や、顔なじみの商人のこと、気に入っている場所などを淡々と語ってくれた。
その話しぶりはあくまで落ち着いていて、アリシアも静かに相槌を打っている。盛り上がることはないが、それでも時折ふたりのあいだで笑みがこぼれた。
(王都までの時間が長すぎるわ。何か話したほうが……)
しばらくじっと考えてから、思いついたように顔を上げる。
(そうだわ。王都のことでも訊いてみようかしら)
思いきって声をかけようとしたとき、ちょうど彼もこちらを向いた。
「あの……」
「アリシア」
言葉が重なり、ふたりは目を見合わせる。
「あっ……すみません、どうぞ」
「いや、君が先でいい」
アリシアは頬が熱くなるのを感じながら、控えめな口調で話した。
「王都はどんなところですか? やっぱり賑やかなんでしょうね」
「大きな町だ。侯爵領とは比べものにならないほど発展している」
「めずらしいものも、たくさんありそうですね」
「滞在中に観光してもいい。行きたいところがあれば遠慮なく言ってくれ」
「ありがとうございます」
それからフィリクスは、かつて立ち寄った店や、顔なじみの商人のこと、気に入っている場所などを淡々と語ってくれた。
その話しぶりはあくまで落ち着いていて、アリシアも静かに相槌を打っている。盛り上がることはないが、それでも時折ふたりのあいだで笑みがこぼれた。